今回は、『法華初心成仏鈔(ほっけしょしんじょうぶつしょう)』のお話をしていきたいと思います。
仏教の目的は、≪成仏≫です。
この「仏になるとは、どういうことなのでしょうか?」
前回は、日蓮聖人のお手紙『観心本尊抄(かんじんほんぞんしょう)』をお読みして、≪ついつい忘れてしまう大切なこと≫についてお話させていただきました。
[kanren postid="1059"]今回は、≪仏道を成就する道を進むにはどうすればよいか?≫についてお話していきたいと思います。
法徳寺では、≪10日≫朝のおつとめの時に、お経を読んだ後、必ず日蓮聖人のお手紙を拝読させていただきます。
それが、今回ご紹介させていただく『法華初心成仏鈔(ほっけしょしんじょうぶつしょう)』です。
この記事のもくじ
法華初心成仏鈔(ほっけしょしんじょうぶつしょう)の原文と【意訳】
法華初心成仏鈔にいわく
籠の中の鳥なけば空とぶ鳥のよばれて集まるがごとし。空とぶ鳥の集まれば籠の中の出でんとするがごとし。口に妙法をよび奉れば我身の仏性もよばれて必ず顕はれ給う。
梵王・帝釈の仏性はよばれて我等を守り給ふ。仏菩薩の仏性はよばれて悦び給ふ。・・・・・・・仏になる道には、我慢・偏執の心なく南無妙法蓮華経と唱へ奉るべきものなり。
(建治3年 身延にて 御年56歳 昭和定本遺文1433ページ)
POINT法華初心成仏鈔の【意訳】
籠の中にいる鳥が鳴けば、空を飛んでいる鳥が鳴き声を競ってその周辺に集まるように、空を飛ぶ鳥が集まると、籠の中の鳥もその鳴き声にさそわれて籠を出ようとするように、私たちが口に妙法をお呼び申し上げるならば、私たちの身に具わっている仏性も呼ばれて、かならずそこに顕れたもうのである。
そしてさらに、梵天王や帝釈天王の仏性も呼ばれて私たちをお守りくださり、十方に遍くお釈迦さまの、そして菩薩の仏性が呼ばれてお悦びくださる。・・・・・・・仏道を成就する道を進むには、自分を頼んで他人を転ずる「我慢」の心や、偏見をもって他人の意見を受け付けない「偏執」の心をなくして、ただひたすらに南無妙法蓮華経とお唱えを申し上げなければならない。
[aside type="normal"]- 仏性
仏となる可能性で、私たち1人ひとりに必ず具わっている
仏道を成就する道を進むには・・・?
私たちは凡人でありますし、お釈迦さまの「おさとり」の世界は、はるか遠い完成の世界であります。
お釈迦さまが久遠の仏陀世界を成就あそばされたのは、「久しく業を修して得るところ」であったと「お自我偈」に示されているとおりです。
日蓮聖人が語り示された法華経の教えは、じつに久遠実成のお釈迦さまの世界は広大であり、救いが広大であって私たちはその救済の世界につつまれているということを示すものであります。
この教えを明らかにし、またそれを実現するための法華経の色読こそが日蓮聖人の大目標でありました。
- 久遠実成のお釈迦さま
始まりのない遥かな過去から、終わりのないはてしない未来にいたる永遠の生命をもっておられる法華経如来寿量品のお釈迦さまのこと - 色読
法華経の教えを、身をもって体験し、実践していくこと
やさしく説き示されているお釈迦さまの世界
しかも、それが一文不知(いちもんふち)の人びとにもやさしく説き示されるのです。
私たちが無心にお唱え申し上げるお題目の功徳は、私たち自身の仏性を目覚めさせるばかりか、偉大なる諸天の加護をうながし、お釈迦さまや菩薩をよろこばせるのです。
- 一文不知
「文」とは文字のこと。一字も知らない、読み書きのできないこと
私も、みなさんに分かりやすい言葉で、お釈迦さまの世界をお伝えしていきたいのですが、これがなかなか難しいのです。
難しいことを易しく。
易しいことを楽しくお伝えする。
このようになっていきたいと思います。
📢法徳寺では、仏さまの世界のお話をお参りしていただいた方に分かりやすくお伝えするために、毎月≪28日≫にカンタンな法話会を行っております。
[日時]毎月28日 19:00~20:00
[場所]法徳寺(上記アクセスを参照にしてください)
※お問い合わせは、下記≪お問合せボタン🔘≫を押してください。
以上、
「仏道を成就する道を進むには・・・?|よび合う仏性」
でした。
お読みいただき有難うございました。