「地鎮祭を省略することはいいの?」「地鎮祭の後にしないといけないことってあるの?」今回は、地鎮祭の流れについて知りたいという方に対してお伝えしていきます。
この記事を読むと、地鎮祭の流れや地鎮の儀の作法、意義が分かります。
地鎮祭の流れについて、教えてください。
今度、建築条件付き売地で、マイホームを建設予定で地鎮祭をする事になりました。
施工会社経由での地鎮祭を行う予定ですが、地鎮祭の流れがよくわかりません・・
地鎮祭は、一生でも数少ないものです。
今回は、地鎮祭の流れについて解説させていただきます。
参考にしていただければ幸いです。
愛媛県で日蓮宗のお寺の副住職をしていて地鎮祭も実際にお願いされたりしています。
今回は、法徳寺の場合を例にさせていただき、説明させていただこうと思います。
地域やお寺によってはやり方が違う場合がありますので、参考に読んでください。
この記事のもくじ
地鎮祭の流れを当日の前後も解説
それでは、地鎮祭の流れを
に分けて、解説させていただきたいと思います。
そもそも地鎮祭とはなんぞや?
いざ住む土地も決まったし、家を建てるぞとなっても建てる前に地鎮祭をしないといけません。
一見、きれいに整地されているような土地でも何百年前はどうだったか分かりません。
これから家を建てて住もうという土地に
などの霊位
を供養し、邪気を払うことを目的としています。
詳しく解説させていただきます。
目には見えませんが、近くの氏神の神社や菩提寺の神主さんなりお坊さんなりがしてくれます。もし心当たりがあるところがあれば、1度お伺いしてみてください。もしわからなければハウスメーカーの担当の方にお尋ねください。
地鎮祭は、氏神の神社や菩提寺にお願いしよう。
分からなければ、ハウスメーカーに尋ねたらよい。
地鎮祭までに準備すること
法徳寺では、地鎮祭にお供えするお供え物は施主の方に準備するようにお伝えしています。
必要なものはその都度ご説明しますが、こちらにも記載しておきます。
あくまで法徳寺の場合です。
お寺や地域によって異なる場合があります。
きちんとお願いするお寺や神社に確認してください。
こちらを地鎮祭当日の1週間前にお寺までお持ちください。
当日までに、
など
準備してください。
地鎮祭の当日の流れ
地鎮祭の日は、準備などでどうしてもバタバタします。
いつもと違う出来事なので、少し浮足立ってしまいますね。
とはいえ、地鎮祭は施主の方がドッシリいう心構えをされることが大切です。
その土地に、「住まわしてください」とお願いするのですから、その方向に気持ちを集中してください。
少し流れは違うかもしれませんが、法徳寺での地鎮祭の流れを解説させていただきます。
それぞれ説明させていただきます。
読経|「いのち」のお経本を読んでいきます
法徳寺では、「いのち」のお経本を参列していただいた方と一緒にお経を読んでいくスタイルです。
「いのち」のお経本ってなあにと思う方は、「いのち」のお経本について を読んでください。
これは、お経というものが「読んでくれるもの」ではなく「自ら読む」ものだからです。お経は、仏さまの教えなのです。漢文で、理解できないかもしれません。
しかし、自分のお家を建てるためにお経を読むことは、決して悪いことではないのではないでしょうか。
その土地を購入して住まわれるのは、施主とそのご家族です。しかし、それまでにも目には見えませんが、拠り所とされている霊がいるわけです。
その霊のご供養をされてから「住まわせてください」とお願いするわけなのです。
お経の意味などは、分からなければお坊さんに聞いてください。
地鎮祭にふさわしいお経を読んでいるのですから、意味が分かってくると、楽しめるかと思います。
ご祈祷|邪気退散・吉祥清浄にするためにご祈祷を行います
ご祈祷は、日蓮宗独特の「木剣修法」によるご祈祷を行います。
ふだん、神社の神主さんの地鎮祭とは少し行い方が違います。
これも先ほどお伝えした
邪気というのは、生霊・死霊・野狐・疫神・呪咀を五段の邪気のことを言います。
邪気について詳しくは、病気の原因となる五段の邪気とは?
でも解説させていただいていますので、参考にしてみてください。
日蓮宗の修法は、この五段の邪気を退散を目的に行っております。
邪気を退散したうえで、施主の家族の人たちが「安心して住めるようにキレイな土地にしてください」と祈念するのです。
お焼香|参列者全員にお焼香していただきます
焼香は、施主の方から順番に参列していただいた方、全員にしていただきます。
日蓮宗では、焼香の回数は上記の理由により3回、もしくは1回がよいとされています。
参考にしてみてください。
鍬入れの儀|施主・ハウスメーカーの方に鍬入れの儀をしていただきます
鍬入れの儀とは、基礎工事を行う前に、「この土地を触り、家の建築を行います」と誓いを立てて行うことです。
そのあと、
など
お清めモノを、半分だけ敷地内にまいていきます。
挨拶|最後に挨拶
最後に、地鎮祭に関するカンタンな話をさせていただき、施主の方にも一言ご挨拶をいただきます。
地鎮祭のあとにしないといけないこと
次に地鎮祭のあとにすることを解説させていただきます。
「幣束」を埋めてもらいます
これから実際に家を建てていくわけですが、基礎を固める前に、奉書で作ったその土地の諸天善神の「幣束」を一緒に埋めてもらいます。
こちらは、ハウスメーカーの方にお任せすれば大丈夫でしょう。
完成後、お清めモノをまいていってください
など
地鎮祭のときに半分残していたものを、敷地内にまいていってください。
施主の方をはじめ、ご家族の方と一緒に行うとよいでしょう。
もし地鎮祭をしなかったらどうなるの?
いままで、地鎮祭に関して色々とお伝えさせていただきました。とはいえ、最近の住宅事情により、昔の風習を行えなくなってきているのもたしかですよね。
個人宅の地鎮祭をやられた方の中には、地鎮の儀を省略された地鎮祭をされた方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、お札などはお寺や神社に言えば、いただけるでしょう。法徳寺の場合もお渡しさせていただきます。
今は、「土用」という時期もあまり考慮されないようです。
結論から言ってしまえば、地鎮祭は省略すべきではありません。
土地の神を鎮める重要儀礼だからです。
なお、何かの事情で地鎮祭ができない場合は、日蓮宗の場合、「家祈祷(やぎとう)」という方法で、お清めすることもできます。
これは、家ができてからの神事です。
なお、上棟祭とか起工式とか完成式とか他の神事で代用する人もおりますが、大切なことは、何らかの神事は絶対に行うべきでしょう。
以上、
「【朗報】とことん地鎮祭の流れを解説!当日とその前後に準備すること」
でした。
お読みいただき有難うございました。